大地の物語

第1回
「足で訪ねる 九州オルレ 好評「奥豊後コース」 地域おこしの導火点に」

■平成24年11月23日

9万年前、阿蘇山の大噴火という地球活動でできた貴重な大地の足跡が素晴らしい景観で残る大分県豊後大野市が、大地の公園「日本ジオパーク」の認定を目指している。
「ジオパーク」は、大地の地質遺産を保護するとともに、教育や観光資源などで活用し、そこで暮らす人々の生活、文化としっかり結び付いていること。5町2村の合併で誕生した同市の一体感づくりでもある。
山林や田園、多くの河川と、水や緑がいっぱいの奥豊後で暮らす人々の声を訪ねた。
4回シリーズでお届けする。

東洋のロダンと称された彫塑家、朝倉文夫生誕の地である同市朝地町のJR豊肥本線朝地駅そばに10月20日、朝地インフォメーションセンターが完成した。壁に竹材を張った民芸風な作り。市や同町の観光推進協議会、商工会、朝地あそぼ会などでつくった町活性の活動拠点。無人駅が生まれ変わった。3月にできた九州オルレ「奥豊後コース」の発着点である。
センター作りに汗を流した森誠一さん(39)は、朝地町土地改良区事務局長のかたわら、地域おこしが何よりと走り回っている活性化の先兵。あそぼ会の会員でもある。
「昨年、ジオパーク構想や九州オルレの計画を耳にした時、光が見えた感じがした。朝地が元気になるのではと」
あそぼ会は有志でつくった歴史や芸術を楽しむ会。ボランティアグループでもあり、ガイドもする。
オルレは、家に帰る細い道という意味。韓国済州島で始まったウォーキング活動だ。ありのままの自然や暮らしが息づいている地域で、未舗装の道もあるなどが条件。奥豊後コースは、朝地駅から竹田市の豊後竹田駅までの12キロメートルで、他の九州オルレ3コースとともに認定された。
「他の3コースに比べて断トツの人気。スタート以来、月平均300人ほどの参加者があります。豊後大野の美しい農村風景や田舎道、地質遺産が魅力のよう」と森さん。
紅葉の庭園で知られる用作(ゆうじゃく)公園や、阿蘇山噴火の火砕流でできた高さ20メートルもの溶結凝灰石の岩肌に掘られた日本でも最大級の普光寺麿崖仏(まがいぶつ)、岩肌に柱状に亀裂が入った珍しい十川(そうかわ)柱状節理、凝灰岩の硬い石で造られた石橋など、ジオパークの要素がコースにはたっぷり。名城、竹田市の岡城址もある。
25歳で故郷に帰った森さん。仲間と町おこしに躍起で、朝地神楽祭やスポーツを中心の「朝地総合型クラブ」の設立、地域づくりのNPO法人の立ち上げなど、目標をたてて挑戦中だ。
「ジオパークやオルレをバネにして、仲間を増やし、一過性ではない次の世代に伝える仕組みをつくりたい」と目を輝かせている。

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